厚労省が、2020年の自殺者についての統計を公開しています。 「経済/生活問題」による自殺は、男性が87%を占めており、男性特有の自殺原因と言っても良い存在です。 2020年の自殺者数は「21,081人」でした。 その原因で一番多いのは「健康問題」ですが、次に多いのが「経済問題」です。 「経済問題」による自殺者は、「3,216人」ですが、そのうち「2,791人」が男性で、女性は「425人」しかいません。 男性が9割近い「経済問題」の自殺者 2020年の自殺者全体に占める「男性」の割合は67%でした。 つまり、自殺者のうち、3人に2人が「男性」です。 しかし、「経済問題」に限ると、「男性」の割合は「87%」に上ります。 「経済問題」は、男女差が大きいのが特徴なのです。 原因は「生活苦」と「多重債務」が多い 「経済問題」による自殺の原因を、もう少し細かく見てみましょう。 一番多いのが「生活苦」でした。 「生活苦」とは、収入が乏しく、生活に苦しむ状態です。 家賃や食費など、生活に必要な資金に困るような状態を指します。 次に多いのが「多重債務」です。 「多重債務」とは、複数の金融機関に借金がある状態を指します。 多重債務になると、元金が返済できないことで、利息がどんどん増えて、返済が困難になります。 「生活苦」は50代が中心 「40代」から増え始め、「60代」までが多くなっています。 「生活苦」による自殺者は、どんな素性の人なのでしょうか。 職業別に見ると、「無職」が一番多くなっています。 次に多いのがサラリーマンなどの「勤め人」ですが、「無職」はその2倍以上います。 「生活苦」の自殺者は、働き口がない現役世代が中心なのです。 現役世代の男性は、勤め先以外の人間関係が希薄で 周囲の人にも相談できず、自らを自殺へと追い込みやすいとされています。 そのような状況に対応するために、無利子で最大20万円まで借りられる 「緊急小口資金」などの制度が用意されています。